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InnerSource Commonsの2025年テーマ「RISE」とニフティの取り組み

こんにちは、エンジニアリングマネージャーの芦川です。
このたび、InnerSource Commons Foundation 2025年メンバーとして活動を開始しました!
グローバルコミュニティの一員として貢献できることを大変光栄に思っています。
(ホントに英語のスピーキング・リスニングに危機感を感じています。どなたか助けてください。)

この記事では、InnerSource Commonsが掲げる2025年のテーマ「RISE」を紹介するとともに、私たちニフティ株式会社でのInnerSourceの取り組みについて改めて簡単にご紹介します。

InnerSourceとは?

InnerSourceは、オープンソースの手法と文化を企業内で活用するアプローチです。
部門やチームを越えた知識の共有・コラボレーションを促進することで、再発明の削減・技術資産の活用・開発文化の活性化を実現します。

InnerSource Commonsの2025年テーマ「RISE」

InnerSource Commonsは、世界中の組織でInnerSourceを実践・促進する非営利コミュニティです。2025年は次の4つの柱「RISE」を重点テーマとしています。(次に紹介する、それぞれのキーワードの頭文字です。)

https://innersourcecommons.org/about/

🌍 Reach:より多くの地域・業界へ

InnerSource Commonsは、InnerSourceをより幅広く展開するため、日本や中国、ブラジル、アフリカといった新しい地域への普及が進んでいます。
私たちニフティも、こうした動きに共鳴し、日本でのInnerSource事例の1つとして貢献できるよう活動しています。

ここでお知らせがあります。InnerSource Commons Japanの活動として、meetupを不定期に開催しております。ぜひ、InnerSource Commons: エンジニアの組織内コラボレーションを加速する のconnpassグループにメンバー登録をして日本のInnerSource最新情報を見逃さないようにしましょう!(直近では、【OST】チームの壁、ぶっ壊そ!壁の乗り越え方、一緒に考えよう! をオフライン開催します。)

もちろん、ニフティ株式会社 のconnpassグループ登録も忘れずに!

🔧 Implement:導入と実践の道筋を整える

InnerSource Commonsは、業界におけるInnerSourceに関する具体的な課題や混乱について、より詳細で質の高いドキュメントを公開します。この取り組みでは、大まかなガイドや指示書にとどまらず、InnerSourceが実際の状況でどのように機能するかを具体的に説明します。

ニフティにおいては2022年にInnerSourceの概念に出会い、パターンブックをもとに実験プロジェクトを開始しました。現在は20以上のリポジトリでInnerSourceを実践し、開発部門だけでなく、ビジネス部門との業務フローなどにも活用の幅が広がっています。

  • チーム構造に合わせた導入効果の検証(チームトポロジーに基づく分析)
  • ガイドライン整備と社内ポータルの構築
  • 「コントリビュートお試し会」の開催による文化の育成

これらの取り組みを通じて、「始めたいが、どう進めればよいか分からない」企業への道しるべとなる知見を蓄積しています。

最近では、InnerSource Commons創設者 Danese Cooper氏 来日記念 Meetup で、これまでのニフティのインナーソース活動とナレッジをまとめた発表をさせていただきました。簡単ではありますが、こちらにまとめてありますのでよかったら見てください。

🌐 Summit:世界中で知見を共有する

RISEの「Summit」は、InnerSource Commonsが主催する国際的なサミットを通じたナレッジの共有と連携の強化を意味します。2025年には横浜、ベルリン、ニューヨークでの開催が予定されています。

こうした場では、企業や文化の違いを越えて、実践者同士が課題や成功事例を共有し、InnerSourceの進化をともに支えていきます。

私も国内イベントでの登壇を通じて、日本企業の経験を世界と共有する重要性を実感しました。今後は、サミットやコミュニティを通じて、日本の声を国際的な場へ届ける役割も担っていければと考えています。日本ならではの伝え方(漫画とか?)、というのもあるんじゃないかと思い探っている最中です。(が、なかなかAIで漫画の画像生成がうまくいかず、どなたか教えて下さい。。)

🏗 Establish:信頼と継続の土台を築く

「Establish」は、InnerSource Commonsが中立で信頼される情報ハブであり続けるための基盤づくりを指します。
ブランドガイドラインや出版物の整備を通じて、誰もが安心して参照・参加できるグローバルナレッジの場を目指しています。

今後に向けて

ニフティでは、InnerSource活動が徐々に組織内に根づきつつあります。
現在注力しているのは以下のような課題です:

  • 社内全リポジトリの可視化と状態把握(活発/停止など)
  • ソースコードに限らず、ドキュメント・スライドといった「情報資産」もInnerSource化
  • 仮想チームで結成された開発物のInnerSource化

InnerSourceは単なる開発プロセスではなく、企業文化と技術をつなぐ橋です。今後も、実践を通じて得た知見をコミュニティに還元し、よりよいコラボレーションの未来をつくっていきたいと思います。特に今年のテーマ「RISE」に見られたように「日本」ということをもっと意識すると「日本ならではの課題や解決方法」が見えてくるような気がしています。

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