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Maker Faire Tokyo 2025 リレーブログ|アイデアが”形”になるまでの物語。自作カードゲームの印刷からイベント出展までを振り返る

📝 この記事は、リレーブログ企画「Maker Faire Tokyo 2025ボードゲーム制作リレーブログ」の記事です。

こんにちは!Maker Faire Tokyo 2025 リレーブログ、前回のムサシさんからバトンを受け取りました、西根です。

前回までは、私たちが作ったオリジナルカードゲームのルールやデザインがどうやって完成したかをご紹介しました。

しかし、その時点ではルールもデザインも、まだすべてPCの中のデータに過ぎません。

この記事では、そのアイデアが、どうやって皆さんの手元で遊べる「モノ」になり、イベント当日を迎えたのか。その泥臭くも楽しかった「製造・出展プロセス」の物語を振り返ります。

初めての「仮入稿」と「仮印刷」

アイデアを初めて「紙」にする日。 デザイン担当の西野さんとイラスト担当のムサシさんが作ってくれた入稿データで「仮印刷」を試しました。

数日後、印刷所から届いた仮印刷のカードを初めて手にした時は、本当に自分たちが考えたものがボードゲームになるんだ…!と嬉しくなりました。

データ上で完璧に見えても、紙にした瞬間に「色が沈む」「文字が小さすぎる」といった問題が発覚するのが「印刷あるある」だと聞いていたのですが……今回はそれがほぼありませんでした。

むしろ「PP加工(ツルツルにする加工)なしでも、思ったより光沢があるかも?」といったポジティブなギャップがあったくらいです。 これは間違いなく、入稿データ作成に強いメンバーがいてくれたおかげだと、この時強く思いました。

これは本印刷後のカードですが、発色や光沢感もとても良い感じです!

 

カラフルな裏面も綺麗に印刷していただきました!

 

予期せぬミッションとクオリティの追求

「モノ」としてのクオリティをどこまで求めるか。これは予算とスケジュールの戦いです。

突然の追加ミッション:「急遽、パネル置けます!」

イベントが近づいてきたある日、「ブースにパネルを置けることになりました!」と連絡が。 嬉しいチャンスであると同時に、印刷所に入稿するとなるとデザイン担当の西野さんに追加のタスクをお願いしなければいけませんでした。

期限が迫っていたため、すぐに西野さんに「いつまでに何を決めて依頼すれば間に合うか」を相談し、パネルに載せる内容と構成を急いで決めました。

この時デザインしてもらったパネルの内容が、後述するルールブックの表面デザインにも活用できたのは、結果的にとても良かったです。

ルールブックも「本物」にしたい

ルールブックは、当初は社内のプリンターで印刷する想定でした。 しかし、「せっかくカードを綺麗に作るなら、ルールブックもちゃんとしたものにしたい!」という思いが捨てきれず、なんとか予算を工面できないか調整を重ねました。

その結果、イベント直前の9月末頃、急遽「印刷会社で印刷できる」ことが決まりました! 喜びと同時に、社内の発注プロセスを進めなければなりません。社内調整の知見が全くなかった私は、いっけいさんに泣きつき、発注から納品までをめちゃくちゃサポートしてもらいました。本当にありがとう、いっけいさん…。

写真だと伝わりづらいですが、ツヤっとした光沢紙に印刷したことで「本物」感が増しました!

イベント前日に西野さんとムサシさんにルールブックを綺麗に折ってもらい、当日の朝なんとか梱包を終えました。

スタッフ体験会

ゲームが物理的に完成し、イベント当日が近づいてきた頃、当日の運営を手伝ってくれるスタッフの皆さんに向けて体験会を実施しました。

そこで直面したのは、「このゲームのことを全く知らない人に、口頭でルールを説明する難しさ」です。 テストプレイに参加していた人も、普段からボードゲームをしている人が多く、ルールを理解するということに慣れているということをすっかり見落としていました。

イベント当日はお客様に体験してもらう予定だったので、口頭で説明するにはルールを複雑にしすぎたか…?と不安になりましたが、体験会が終わった後に「面白い」「カードがかわいい」といった感想をもらえたのは、本当に嬉しかったです。

同時に、こんな貴重なフィードバックももらいました。 「特殊カード、小さいお子さんにはちょっと複雑かもね…」

…確かに!

Maker Faireは親子連れも多いイベントです。このままでは楽しんでもらえない層が出てきてしまう。 私たちは急遽、当日スタッフの皆さんにお願いし、小さいお子様には「特殊カードをすべて『10』として扱う」という簡略化ルールで遊んでもらうことにしました。

これにより、ほぼ通常のブラックジャックと同じルールで遊べるようになり、当日は本当に色々な年代の方に楽しんでいただけたと思います。 体験会で率直な意見をもらうこと、そしてそれに応えてくれる当日スタッフの皆さんの柔軟な対応力に、心から感謝しています。

決戦のMaker Faire当日

そして迎えた当日。 自分たちが作ったゲームを、ブースに来てくれた人たちが手に取り、遊んでくれている。 その光景を見ているのは、なんとも言えない緊張と喜びが入り混じった時間でした。

アンケートでは「ルールが面白かった!」「子供が楽しんでいた」といった声をいただき、改めて「ものづくりって楽しいな」というシンプルな気持ちを思い出させてもらいました。

普段私が作っているものはソフトウェアですが、実際に手で触れる「モノ」があるものづくりも、やってみれば意外となんとかなる。そして、自分が作ったもので誰かが喜んでくれる瞬間の嬉しさは、ソフトウェアもボードゲームも変わらないんだな、と感じました。

アイデアを「形」にして学んだこと

振り返ってみて、学んだことは大きく2つあります。

  • 当たり前ですが、ボードゲームを1から作るのは本当に大変でした。 決めることも、調整することも多い。でも、それ以上に、実際に遊んでいるところを見た時の嬉しさは格別でした。本当にやってよかったです。
  • 色んな人を巻き込むと、思ったよりも快く協力してくれる。 ただし、丸投げはダメです。できるだけ「自分はこうしたい」という意見を持って質問したり、疑問点を言語化したりして相談に行くことで、お互いが幸せになれると実感しました。

有志で関わってくれた開発メンバー、デザイナーの皆さん、印刷所の方々、そして当日ブースに遊びに来てくれた全ての皆様に、心から感謝を伝えたいです。

本当にありがとうございました!

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