はじめに
N1! Machine Learning Product Engineerの中村です。
普段はニュースサイトやアプリのバックエンド開発を担当し、その他機械学習をプロダクトに実装することを目的としたスペシャリスト(ニフティにはN1!というスペシャリスト制度があります)としても活動しています。
https://recruit.nifty.co.jp/interview/nakamura.htm
社内LT大会
ニフティでは2ヶ月に1回程度のペースで社内LT大会をしています。
コロナ禍になり現在は完全オンライン開催に移行していますが、オフラインで開催していた時期から様々な社員が技術ネタに限らず、いろいろな話題でLTに登壇していました。
中村が登壇したLTに関して、以前も記事を執筆しました。(「「良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門」で悪魔を退治する」)
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今回のこの記事では2022年7月に開催されたLT大会(テーマフリー)で、登壇して発表した内容をなるべくそのままの状態でお届けします。今回は「エラスティックリーダーシップ」について、はじまりはじまり〜。
※一部スライドを修正しています
LTはじまり
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中村伊吹と言います。会員システムG第2開発チームで普段はニフティニュースやマイニフティのバックエンド開発を主に担当しています。その他、ニフティのスペシャリスト制度であるN1!2期でMachine Learning Product Engineerとして機械学習の研究・実装を推進しています。
今日話したいのが「エラスティックリーダーシップ」という書籍なんですが、「エラスティック」って響きってクラウドをやっているエンジニアにはめちゃくちゃいい感じに聞こえません?
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というわけでこれは読むしか無いな!という歓喜に包まれて、
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今日は「エラスティックリーダーシップ 自己組織化チームの育て方」を紹介します。
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まずこの本で言い切られていることは、チームリーダーの目的は「自己組織化」であるということです。
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この本ではチームリーダーマニフェストというのが掲げられていて、我々は次のことを信じています。
「偉大なチームは成長によって作られる。雇うことで作られるわけではない。」
「チームリーダーの目標は、チーム内の人々のスキルを自己組織化に至るまで継続的に成長させること」
そして「幸せなチームは顧客と雇用主の両方を幸せにする」
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そしてこのゴールに到達するまでに次のことを追求します。
「自分自身とチームがより良くなるために挑戦する」
「必要に応じてリーダーシップスタイルを変化させる」
「マシンとばかり向き合うのではなく、人とのやりとりに参加する」
このような努力を通じてチームリーダーマニフェストを達成します。
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そして、チームリーダーの役割は「優れた人材が育つのを助けること」と定義されています。
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それで、いくら人材を育てても会社に価値は生まれないのでは?という疑問があるのですが、この本では会社への価値はチームのスキルを育成することで生じるとされています。
人が成長すればスキルも増して、正しい行いに対するメンバーの責任感も増す。
そして真の忠誠心はリーダーがそばにいることで全てが得られたときにやってきます。
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ただ、こういう声が聞こえてきますね?
「うーん、そうは言ってもね。私たちは今ピンチなんだ。リリースだって遅れている。
それなのに、メンバーに新しいことを教えるための時間をちょっとでも取れって?
もう、いっぱいいっぱいなんだ。とてもじゃないけど、そんなことはできないよ」
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その時に、ゴールに到達するために追求することを見直します。
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大事なのはここの部分で、私達は必要に応じてリーダーシップスタイルを変化させる必要がある、とあります。
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このリーダーシップスタイルを変化させることが、本書のタイトルにもなっている「エラスティックリーダーシップモデル」です。
エラスティックリーダーシップモデルでは、チームを3つのフェーズに分けて、それぞれのフェーズで行うことを正しく行うことで、チームを自己組織化に導きます。
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まずはサバイバルモードです。サバイバルモードではチームは落ち着いて新しいことを学ぶことができず、常に火を消し続けている状態です。
本来は壊れていてはいけない部分を直すことで、ヒーローとしての居心地の良さを覚えてしまい、本書ではこれを「サバイバルモード中毒」とよんでいます。
チームとして「ゆとり」が必要な状態です。
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サバイバルモードではとにかく指示を出します。
船が沈もうとしている時に船長は会議を開きません。
とにかく指示を出して、チームの間違いを防ぎ、学習のための時間とゆとりを作ることに全力を注ぎます。
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チームが「ゆとり」を持つことができるようになったら、チームは「学習モード」に移行します。
学習モードでは新しいことを学んでいるので、一時的に生産性が落ち、それを習得したら生産性が遥かに高まるという流れを繰り返します。
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学習モードでリーダーがやることは、チームに新しいことを学ばせることです。
チームは生産性を落とすようなことはしたくないという抵抗が起きますが、それでも新しいことを学ばせて挑戦的な課題を与えます。
そしてこれがエモポイントなんですが、たとえどんなに短い期間であってもメンバーを成長させます。「どんなに短い期間であっても手本を見せよう。あなたがそうするのであれば、メンバーはきっとまたあなたと働きたいと思うだろう。」という文がめちゃくちゃエモいです。
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エラスティックリーダーシップモデルの最高到達点は「自己組織化モード」です。
自己組織化モードではあらゆることがリーダーから独立しています。
リーダーに頼ることなく自分たちの問題を解決でき、リーダーがたとえ数日間いなくても仕事が機能します。
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自己組織化モードではリーダーはやり方に一切口を挟みません。
リーダーはチームの問題を解決しません。
リーダーがすることは、現在の環境や条件、目的がチームが成果を出すのに適した条件になっているかに気を配るだけで、チーム自身の問題はメンバーが解決してくれると信頼します。
エラスティックリーダーシップモデルを活用することで、チームがいまどこにいて、そしてリーダーはどうやって導いていけば、最後に自己組織化モードに到達できるのか?というのが「エラスティックリーダーシップ」という本の肝になっています。
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それでは最後に本書から次の言葉を贈ります。
「私達はただ価値を提供するだけのリーダーではなく、幸せなチームを、満ち足りていて忠誠心あふれるチームを作り出せるリーダーになりたい。」
ということで今回のLTを終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
最後に
実はこのLT大会では投票の結果、優勝者には副賞があるのですが、今回は自分が優勝することができました。(他にも楽しいLTがたくさんあり、今回の優勝時は「お、自分か!」という気持ちになりました)
ニフティでは定期的にこのようなLT大会を開催することで、それぞれの社員の知見や考えを互いに知る機会を設けています。
カジュアル面談も行っていますので、お気軽にお問い合わせください。