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ニフティの「エンジニアスペシャリスト」について

こんにちは、WEBサービス開発グループの伊達です。

夏休みの宿題は好きな科目は初日に終わらせるけど、苦手な科目は最終日まで見ないタイプです。

一年の初めということで、私の昨年4月からの仕事を振り返りながら、ニフティにおけるエンジニアのキャリアパス「エンジニアスペシャリスト」のお仕事について語ってみたいと思います。

ニフティでは今年度初めの4月にエンジニア専用のキャリアパスである「エンジニアスペシャリスト」が作られ、同時に私は「シニアエンジニア」となりました。

このシニアエンジニアが何かを端的に説明しますと、

課長 – ラインマネジメント + 技術

です。

課長が組織上の課題を解決し、組織を円滑に運営・事業を推進するのが役目であるなら、シニアエンジニアは技術上の課題を解決し、組織(とそれぞれのエンジニア)が円滑に開発し事業を推進できるようにすることが役目だと言えます。

エンジニア出身の課長では同じことができないのかと言えば、人によっては同じことは十分可能でしょう。

ただ、私見では、技術に主眼をおいて活動しようという際には、ニフティのような事業会社ではシステム・サービスを開発運用する能力自体が分かりやすく売上に直結するわけではないという点がことを悩ましくさせます。

ですが、短期的な売上に直接寄与する代わりに、中長期的に大きなプラスをもたらすことがシニアエンジニアの期待役割の一つですので、課長と違った働き方がしやすいと考えています。

さて、そんなシニアエンジニアとしてしばらく働いてみて、4月の段階で考えていたことと、どこまで実施できたかを振り返ってみたいと思います。

  1. 「普通の開発」ができるようにする
    • ニフティのウェブ事業では長年独自のウェブアプリケーションフレームワークを使用しています。サービス運用のためのアプリケーションも含めた環境であり、一定の領域のウェブサービスの開発運用を行うのに非常に便利なものです
    • 幸か不幸かとても成功したために見直しや作り直しをするにはあまりに広く使われて、アーキテクチャや技術要素は今となっては古いものになっています
    • 2000年代初頭と違って独自開発をしなくとも素晴らしいOSSが世の中に沢山あります。ググると使い方やトラブルシューティングが見つかる、覚えたことをブログの記事にしたり勉強会で話せる、Qiitaの記事に書かれているような新しい技術を試して自分の開発に取り入れることができるといったことを「普通の開発」の一つのマイルストーンと考えました
    • 元々現在のフレームワークから完全に脱するには年単位でかかるだろうと想定しており、公表できるような何かはまだありませんが、そろそろ内部では動き始めたいと考えています
    • 並行して運用の自動化や共通基盤の整備なども行なっており、WEBサイト稼動監視ツール「Pingdom」とその連動 がその成果の一つです。可視化基盤としてRedashのグループ内提供なども実施しています
    • 現在エラートラッキングツールの導入も進めており、いずれブログで紹介できるかと思います
  2. 育成
    • グループ員全員との1on1
      • 去年度はチームリーダーでしたので、チームメンバーとの1on1を定期的に行なっていましたが、今年度からは開発グループのメンバー全員と行なっています
      • チームによってはチームリーダーが1on1を行なっているため、頻度は控え目にして現在は四半期に一巡する程度にしています
      • 内容しては仕事上での困りごとやエンジニアとしての今後のキャリアについて話を聞くあたりに落ち着いています
      • 4月の時点では、1on1を経てそれぞれが自分の抱えている課題に気付き、解決するアクションに移れるようになることを目標と考えていました
      • 定期的に実施すること、技術上の課題を吸い上げることについてはできていますが、それぞれが次のアクションに移れるような場にはまだまだできていないため、それが来年以降の宿題です
    • 特定の分野の強化
      • 去年度から機械学習について強化を進めています
      • 機械学習モデルの作成、サービスへの組み込み、リリース後の継続的な改善、これらを内製で行えるようにすることが目標です
      • 去年度から「Python機械学習プログラミング」輪読会、gaccoの社会人のためのデータサイエンス講座やCourseraのMachine Learningコースの自習、データサイエンスに強い企業と実験的な分析や機械学習モデルを使ったシステム開発を行ってのノウハウ吸収などを行ってきました。2017年度に入りいくつか内製での開発プロジェクトが立ち上がっています
      • ただ、ウェブサービス開発、スマホアプリ開発と違って、機械学習を使ったシステム開発に対する共通認識がないことが一つの課題と感じています
      • 今は、みなに最低限の知識を身に着けてもらうため「仕事ではじめる機械学習」輪読会を2017年度入社の新人含めて広く行っています。また機械学習・深層学習に関する資格取得時の受験料補助なども始めました
      • 機械学習分野の強化は引き続き行いつつ、2018年度は2018年度でまた新たな分野を設定したいと考えています
    • 技術的なインプット/アウトプットを増やす
      • 若手メンバーで2泊3日のハッカソン合宿@土善旅館に行ってきました! にありますように、若手メンバー向けの学習と学んだことをアウトプットするエンジニア定例という場があります
      • 会社に置く技術書の購入は比較的自由に行え、社内の輪読会や有志の勉強会などもあり、社外の勉強会やカンファレンスなどへの参加も推奨しておりと、インプットの環境はそれなりにあります
      • 一方インプットに比較するとアウトプットの機会が少なかったため、2017年度は以下のような試みをしています(それぞれ伊達の発案ではないですが……)
      • みなが発表することに慣れて、最終的には社外での発表が増えることを目標にしています

さて、取り留めなく書いてきましたが、結論としてはどれも道半ばです。エンジニアがより快適に働けて、実力を発揮し、成長できる環境作りのため、2018年も引き続き頑張りたいと思います!

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