マーケティングオートメーションが一般的に知られてきましたが、なかなか試す用途で使いたいとなると気軽に無料体験版やFreeプランを用意してくれているところは少ないです。契約するにしても最低契約期間が半年、1年ということも多く手軽に試せません。
そんなときにさくっと用意できるのがOSSの「Mautic」。
1年ほど前にも入れてみたのですが、いろいろ機能拡張していたので再度入れて触ってみました。
インストール
SaasのFree版もありますが今回はオンプレで用意します。 といっても検証目的ならすごく簡単で docker-compose で構築可能です。
Githubにある docker-compose のサンプルどおり用意して docker-compose up するだけです。
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mautic: image: mautic/mautic links: - mauticdb:mysql ports: - 8080:80 mauticdb: image: mysql:5.6 environment: MYSQL_ROOT_PASSWORD: example |
初期設定
http://host-ip:8080 にアクセスするとWordPressのような初期設定が始まります。 メールサーバーとログインユーザー登録以外はデフォルトでOKです。 メールサーバーが自前のがあればそれを指定、なければGmailとかにしておきましょう。
あとで変更もできます。
今回作る構成
よくあるパターンでebookをダウンロードしてくれたユーザーにノウハウや新機能をお知らせするというのを設定してみます。
今回はリードジェネレーションのみなので以下のような設定を作っていきます。
リードジェネレーション
ランディングページの作成
タイトルとテーマを決めるだけでテンプレページが作成できます。
- ページURL
- http://host-ip:8080/[CategoryAlias]/[PageAlias]
- 公開予定のURL
- http://host-ip:8080/page/preview/[PageID]
エイリアスはURLに影響します。
また設定でカテゴリーで階層化していたらカテゴリーのエイリアスもURLに影響します。
A/Bテストも作成することができて同一URLでA/Bテストが可能です。
アセットの作成
フォームを送信するとダウンロードできるコンテンツの用意をしておきます。
フォームの作成
スタンドアローンフォームはキャンペーン内容(その後のワークフロー)が決まってないときにコンタクトをセグメントに流します。フローに流せない代わりにいくつかコンタクト登録後のアクションを設定できます。
キャンペーンフォームはコンタクトをキャンペーン(自動化されたワークフロー)に直に流したいときに使います。
今回は分かりやすいスタンドアローンフォームを使います。
今回はフォーム内容が送信されたらメッセージを表示させるように設定。
ほかにも送信後にリダイレクトURLを指定して飛ばすこともできます。
これだけだと入力項目のないフォームなので、
フィールドタブから入力項目と保存先フィールドを指定します。
保存先フィールドに適当なものがなかったら設定からコンタクトにカスタムフィールドを追加することもできます。
最後にフォーム送信後のアクションを指定します。
キャンペーンフォームとではキャンペーンビルダーでアクションを設定するため、スタンドアローンフォームに比べ行えるアクションの数が少なくなっています。
キャンペーンフォームを選んで作った方は注意しましょう。
送信後にアセットコンテンツのダウンロードと、セグメントの設定、ポイント(スコア)の加算を付けておきました。
これでフォームの作成は完了。
フォームをランディングページに埋め込む
さきほど作ったフォームをランディングページに埋め込んでみましょう。
テンプレートの編集からビルダーを選択して、フォームを入れたいスロットのカスタマイズから、Insert Tokenアイコンを選ぶとフォームを挿入することができます。
フォームをランディングページに埋め込む(タグ利用)
自動的にフォームの設定を反映してくれるタグを取得。
テンプレートページにてタグモードでビルダーを開きます。
適当なところにタグを貼り付けるとご覧のようにフォームが埋め込まれます。
より厳密なvalidationを行いたい場合は自前でJavascriptを書いてなんとかする必要があります。
フォーム動作の確認
試しにフォームに入力して送信までしてみましょう。
アセットのコンテンツがダウンロードされ、さらにそのメールアドレスのユーザーがコンタクトに作られていれば、正常に動作しています。
所感
mauticはGithubのリリースを見て分かるとおり、エンハンスもバグ修正もしっかり行っていてどんどんよくなってます。
リードジェネレーションで行いたい要件はMauticでだいたい叶えられるのではないでしょうか。
ツール自体もロールにて細かく権限設定をすることができ、公開・配信権限も絞れるため安心感があります。
プラグインがすでにいくつか用意されているのでツール間連携も容易です。
プラグインがなくてもAPIやWebhookを標準搭載しているので、自力でなんとかすることもできとても助かります。
HubspotはFree版がありますが、MarketoやSalesforce Marketing Cloudなど大手のMAツールをご検討している方は、導入前にMauticで一度MAを体験してみるのもよいのではないでしょうか。
ナーチャリングはまた次回
リードジェネレーションだけで長くなってしまったので、ナーチャリングはまだ別の記事にします。