この記事は、ニフティグループ Advent Calendar 2025 2日目の記事です。
こんにちは。ニフティポイントクラブ開発・運用担当の西根です。
この度、AWS認定資格の一つである SysOps Administrator – Associate (SOA-C02) に合格しました。
📝 AWS Certified SysOps Administrator – Associate (SOA-C02)は2025年9月30日よりAWS Certified CloudOps Engineer – Associate (SOA-C03)に更新されています。
実は、上期の目標に設定していたにもかかわらず、9月に入るまで全く手をつけていないという状況でした…。
そこから約3週間(実働学習20時間) という短期間で、なんとか合格までたどり着いた経緯と勉強法をご紹介します。
SAAは持っているけれどSOAはどうしようか迷っている方や、とにかく時間がない!という方の参考になれば幸いです。
筆者の前提スキルと状況
まずは、学習開始前の私の状況です。
- 保有資格: 1年前にSAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト)に合格済み。
- AWS実務経験: 業務でAWSは使用していますが、AWS Organizationsを使ったアカウント管理などは別部署が担当しており、知識・経験ともにほぼゼロの状態でした。
- 状況: 上期の目標達成のため、「とにかく最速で」 合格する必要がありました。
学習戦略
学習戦略は「とにかく問題演習から入る」にしました。
というのも、学習期間は 3週間(合計1200分 / 20時間) しかなく、動画教材を最初から全部見るような余裕はなく、以下の戦略を取る必要がありました。
- まず問題演習(Udemy)を解く。
- 間違えた問題、理解が曖昧な問題の解説をしっかり読む。
- どうしても概念すらイメージできないサービスだけ、ピンポイントで動画教材を視聴する。
- AI(ChatGPTなど)を壁打ち相手として使い、知識の穴を埋める。
時間の作り方
確保した時間は以下の通りです。
- 平日:
- お昼休み: 40分(ご飯を食べながらUdemy動画を流し見 + 20〜30分の問題演習)
- 通退勤: 0〜30分(気が向いたらやる程度)
- 休日:
- 予定がない日に 2〜4時間 集中して確保
使用した教材
使用したのは以下の3つです。
- [動画教材] AWS認定CloudOps Engineer Associate(SOA-C03)試験 対策トレーニング
- 主に知識補完用。全編は見ず、Systems Manager, Organizations, Service Catalog, Control Towerなど、全く知らないサービスの章だけを1.25倍速で視聴しました。
- [問題演習:メイン] AWSトップ講師によるAWS認定SysOpsアドミニストレーター アソシエイト模擬試験問題集(5回分325問)
- 今回の学習の核です。 これをひたすら周回しました。
- 正答率を回数ごとに記録してもらえるので、成長が可視化されてモチベーションになりました。
- [問題演習:直前] AWS認定資格 WEB問題集&徹底解説
- Udemyの問題に慣れすぎたため、受験前日〜当日にかけて「無料問題」のセクションを解き、知識の最終確認をしました。
AI活用が合格の鍵
今回の短期合格の要因として、AIの活用が非常に大きかったと感じています。
SAAと違い、SOAはSystems Manager (SSM) やOrganizationsなど、「実際に組織で使っていないとイメージが湧きにくい」サービスが頻出します。
これらをドキュメントだけで理解しようとすると時間がかかりますが、AIに壁打ち相手になってもらうことで、効率的に理解を深めることができました。
活用例1:サービスの比較と違いの明確化
例えば、SSMの「Run Command」と「Runbook (Automation)」の違いが曖昧でした。 そこで、AIに以下のように質問しました。
(質問) AWS SSMのRun CommandとRunbook(Automation)の違いを、初心者にもわかりやすく教えてください。
(AIの回答要約)
- Run Command:
- 目的: 複数のEC2やオンプレミスサーバーに対して「単発のコマンド(シェルスクリプトやPowerShell)」を実行する機能。
- 例: 「全サーバーにパッチを当てる」「ログファイルを収集する」
- Runbook (Automation):
- 目的: もっと複雑な「一連の運用タスク」を自動化する機能。Run Commandの実行、Lambdaの実行、EC2の作成などを組み合わせたワークフローを作れる。
- 例: 「AMI(マシンイメージ)の作成とパッチ適用を自動化する」
このように、AIに「〇〇と××の違い」を平易な言葉で説明してもらうことで、公式ドキュメントを読むより早くイメージを掴むことができました。
もちろん、AIが常に真実を教えてくれるとは限らない(ハルシネーション)ため、最終的なファクトチェックは必要です。しかし、そもそも何から調べていいかわからない時の「とっかかり」として、非常に優秀でした。
活用例2:直前対策チートシートの作成
試験直前には、AIに「SOA-C03の試験に出る重要なサービスとキーポイントをまとめたチートシートを作って」と依頼しました。 作成されたリスト(SSM, CloudWatch, Organizations, Service Catalogなど)を眺めることで、頭の中を整理して試験に臨むことができました。
実務でSOAはどう活きているか?
正直なところ、1年前に取得したSAAではAWSのサービスをある程度網羅的に学習することとベストプラクティスをインプットすることが主目的であり、日々の業務で「あ、これSAAでやったやつだ!」と直接的に感じる場面はそれほど多くありませんでした。
しかし、SOAに関しては実務で活かせているなという手応えがあります。
ログ監視の提案ができるようになった
具体的な変化として、チーム内で「システムのログ監視方法を見直したい」という話題が上がった際のエピソードがあります。
これまでの自分なら方法を調べることから始めていたと思いますが、「CloudWatch Logsのメトリクスフィルターを使用すれば、特定のエラー文字列を検知して簡単にCloudWatch Alarmを発火させられますよ」 と、具体的な実装方法を含めた提案を調べずに行うことができました。
自社サービスの開発・運用・保守を一貫して行うチームにおいて、「どう運用していくか」「どう守るか」というSOAの知識は、開発者にとって非常に強力な武器になると感じました。
まとめ
今回の合格の勝因は、以下2点に尽きると思います。
- 良質な問題集(Udemy)を周回したこと
- 使用したUdemyの模擬試験は、実際の試験より少し難易度が高めに設定されている印象でした。これを解き切ることで、本番で慌てず対応できる実力がつきました。
- AIを「壁打ち相手」として活用したこと
- 実務で触れないサービスの理解を、AIとの対話でスピーディに補完できました。
SAAに合格したものの、次のステップを迷っている方にはSOAの受験をおすすめです。
SAAが「設計」にフォーカスしているのに対し、SOAは「運用・監視・トラブルシューティング」に重点が置かれており、AWSをより深く理解するのに役立ちます。
時間がない方も、問題演習とAI活用を組み合わせれば、効率的に合格を目指せるはずです。
次回はもう少し時間に余裕を持って効率よく勉強したいと思います!


