Make with Notion 2025で、かなり多くの新機能が発表されましたね!
AIエージェントは登場すると予想していましたが、実際には期待以上の機能が発表されたと思います。ただ、AI系サービスは実際に使ってみないとわからない部分も多いので、新機能をいくつか試してみた感想を書いていこうと思います。
Notion AIのパーソナライズ
「アイコン」「名前」「Instruction(指示)」を変更できます。
Instruction は AGENTS.md と役割はほぼ一緒です。

思い出(メモリー)部分の記述は、AIとのやりとりで恒久的に指示したものが自動的に書き込まれるようです。AIの回答の下にあるGood/Badフィードバックボタンは、Notion社側へのフィードバックだと思うので送っても追記されなかったです。

パーソナライズしたAIを複数持てるようには現状なっていないですが、Instructionを変更してもプライベートセクションにページとして残るので、手動切り替えもできなくはないです。
カスタムエージェント機能がリリースされれば、複数エージェントを使い分けできるはずです。
Notion AIエージェント
Notion AIによる長め&マルチステップ処理ができるようになりました。
いままでのNotion AIでできていた「データベースをAIで構築」「ページ内の文言の追加・修正」これらが単タスク処理ではなく一気にやってくれます。
実験:Slackのチャンネル情報からFAQデータベースを作る
API使うにしても面倒な「Slackの情報を抜き出してNotionにまとめる」地味な作業を、Notion AIでパッとやってみます。
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Slack の #qa_notion チャンネルに投稿された過去3ヶ月分の情報を遡り、FAQを作成してください。 #qa_notion チャンネル以外の情報は参考にしないでください。 FAQはNotionデータベースとして作成し、各ページに質問の詳細と回答を記載してください。 |
これだけでFAQデータベースが作成できました。すばらしい!


気軽にデータベース内の複数ページへの一括編集ができるようになりましたが、大勢が使っている共有データベースで使うには怖い機能です。Undo機能はありますがまず個人管理のデータベースで慣らしてから行うほうがいいでしょう。
実験:今週の予定やタスクを調べてタスクリストを作ってもらう
AIに不慣れな方だと、「今週の予定やタスクをAIに自動生成してもらえる」という期待を持ちやすいので、実際に実現可能かどうか検証してみます。
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@自分のアカウント の今週の予定とタスクを教えてください |
これだけでは他人の予定やタスクが混在してしまい、うまくいきませんでした。
- 🔺 Notion
- データベースを指定しないと他人のタスクが混ざることが多い
- 日常的に使うならInstructionでのデータベース指定は必須
- ⭕️ Slack
- 未対応項目をうまく抜き出してくれる
- 🔺 Gmail
- メーリングリストやDMの情報も自身のタスクとしてみてしまう
- Instructionに条件を書けば除外できる
- 🔺 GitHub
- 参照リソースとしてメールが使われることが多い
- GitHubリソース単体で探す場合、GitHub IDだと見つからないため表示名で探させる必要がある
InstructionでSaaSごとの検索方法を設定することで、かなり良好な結果が得られました。
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- 今週の予定を調べるときの方法 - Notion - [掲示板] と [カレンダー] で締め切りの近いものや自分に関連する項目を確認 - [タスク管理DB] で対応が必要なタスクがないか確認 - Slack - 直近1週間で [Slackの表示名] 宛ての未返信メッセージを確認 - スレッド内で未完了の会話も確認 - Gmail - 未回答の個人宛てメッセージを確認 - メーリングリストやダイレクトメールは対象外としてください - GitHub - [GitHubの表示名] がレビュワーに指定されているPull Requestの確認 - [GitHubの表示名] が作成したPull RequestとIssueの状況確認 |
情報セキュリティの観点から共有できないデータが含まれているため、Notion AIで内容を匿名化したサンプルレスポンス↓

今後、Notion AIがNotionカレンダーやGoogleカレンダーと連携できるようになれば、さらに精度が向上するため、そのような連携機能の実装が望まれますね。
Custom Agents
Waitlist登録はしましたが待ちの状態です。
そのためMake with Notionのデモから得られた情報だけ一旦まとめます。
サイドバーにAgentセクションが追加されていたので、特定ツールや社内業務用のAgentを複数作成して、質問対応や業務処理をさせる使い方ができるようになりそうです。
Slackからの質問に対する一次回答として、カスタムエージェントへのリンクが提供されていました。Slackに直接AIが回答してくれるのが理想ですが、権限管理の問題があるため、このフローが落とし所なのでしょう。
その他
データベースの行権限
データベースの人物プロパティに登録されているユーザーに特定の権限を付与できる機能です。この機能により、ユーザーはページやデータベース全体へのアクセス権がなくても、設定された権限を得ることができます。

個人的に期待していた機能なのですが、もう一息といった印象です。
実現できるようになったユースケース:
- 共同編集者を簡単に追加できる
- 条件:データベース(読み取り権限)+行(編集権限以上)
- 例:Slackからの問い合わせが自動的にNotionデータベースに登録されるワークフローがあったとして、問い合わせた人への編集権限付与が自動化できる
まだ実現できないユースケース
- 権限のあるページだけが一覧表示されるデータベース
- 現状の問題:データベース自体の権限がないとページを一覧で見ることができない。かといってデータベースに権限を与えるとフィルターでビューを制御しても検索から見えてしまう。
- 理想条件:データベース(ページに権限のあるものだけ読み取り可能)+行(編集権限)
検索から除外する権限設定
共有 > 一般的なアクセス
の権限設定にて設定可能。
検索避けしてアーカイブ化したいページ向けだと思ったんですが、ページの権限を持っているユーザーからは非表示にならない仕様なのでちょっと使いづらかったです。
権限があっても検索結果には出ないようにして、検索オプションとして「非表示ページも表示する」項目を追加する形式がいいとは思うのでフィードバックしておこうと思います。

People Profiles
Workspaceの設定から有効化することができます。

現時点ではPeopleの親ページを確認することができず。
デモでは表示されていたので将来的に一覧表示もできるようになると思われます。
Peopleの個人ページには、人物プロパティやユーザーアイコンからアクセスできます。
いまはその人のアクティビティ情報と所属チームスペースしか表示されないため、実用性は限られています。自分でプロフィールページをカスタマイズできるようになってからが本番でしょう。