Blog

クラウドコストを管理する

概要・はじめに

こんにちは。ニフティ インフラチームの西澤です。
みなさんは毎月クラウドにかかっているコストはどのように管理していますか?
ニフティでは複数のクラウドを利用しており、私の所属しているチームでは全社的なクラウドのコスト管理を行っています。
本記事では弊社で実施しているクラウドコストの管理方法についてご紹介させていただきます。

 

クラウドコスト管理の目的

クラウドを利用し始めた当初は、予算と実績の乖離が非常に大きかったため、一定の範囲内に抑えるための施策として取り組みが始まりました。
また、予実管理を通じてクラウド利用料の最適化を図ることも目的の一つとなっています。

 

主な実施内容

[1]クラウドコスト見通し額の記載

まず、各チームが利用しているアカウントについて、月ごとの見通し額を算出した上でスプレッドシートに記載してもらっています。
基本的には年度の初めに1年間分の見通し額を入力してもらいますが、変更が必要な場合は随時金額の修正が可能です。
変更の際はSlackのワークフローから申請してもらい、その内容がスプレッドシートに記録される仕組みになっています。
直接編集にしていないのは、金額の変更理由や履歴を追跡できるようにすることと、承認のフローを組み込むことが目的です。

[2]見通し額と予測額を比較してSlackへアラート通知

続いて、想定した見通し額通りの利用となっているかを確認するため、各アカウントごとにその月の予測額を毎日取得しています。
そして、記載してもらっている見通し額と予測額を比較し、定めている閾値を超えた場合はSlackチャンネルへアラートを通知します。
※予測額の算出や取得方法は各クラウドで異なります

アラート通知内容

利用者はアラートの内容に基づいて、現時点で見通し額と予測額のずれが発生している原因を確認したり、今後の見通し額の変更を実施します。
見通し額との乖離を通知することで、意図せずリソース利用に増減があることに気づいたり、見通し額の精度を向上させることを目指しています。

[3]実績確定後の見通し額との差額比較

次に、実績が確定し、各クラウドベンダーから請求書をもらった後の対応です。
各アカウントごとに見通し額と実績を比較し、乖離があったアカウントを抽出して利用者へ連絡します。日々見通し額のアラートを出していますが、想定外の事態やアラート確認漏れ、見通し額の申請漏れなどにより乖離が発生する可能性があります。

[4]差額が出た理由の確認

連絡を受けた利用者は差額内容を確認し、差額が出た原因や今後の対策を報告してもらっています。毎月理由は様々ですが、以下のようなものが主な例として挙げられます。

  • ログ量の増加
  • 通信量やデータ転送量の変動
  • 料金の値上げ
  • 割引適用の期限切れ
  • 検証に伴うリソース追加
    ※利用後の停止予定を忘れてしまうなど

特にネットワークやログなどは予測が難しかったり、検証中の料金については意識しにくいことがあるため、こういった理由が多い印象です。

[5]コスト評価ミーティング

コストに関する情報が出そろったら、確定した実績について各部署のリーダー向けにコストの評価ミーティングを実施しています。
確認しているのは以下のような内容で、認識の相違や課題などがないか話し合う場にもなっています。

  • クラウドの金額
  • クラウド全体および各クラウドごとの金額推移
  • 前月と比較し、差額が大きかったアカウントの増減要因
  • アカウントごとの実績推移および今後の見通し額推移
  • 見通し額との差額が出ていたアカウントの理由

さらに、各部署にこの場で課題となった情報を持ち帰り、適正化に取り組んでもらっています。このように様々な観点や立場からコストを確認し、クラウド利用部署全体で意識していくことでコスト削減につなげています。

取り組みによる効果

クラウドコスト管理の運用が始まったのは2021年からと比較的最近ではあるのですが、
年間の金額を2023年と比較すると、約25%ほど削減できたという結果になりました。
全てがこの取り組みの影響ということではなく、利用者の協力もあってのことですが、効果が金額として顕著に出てくるとやりがいがありますね!

 

おわりに

今回はニフティで実施しているクラウドコストの管理方法について簡単に紹介をさせて頂きました。
クラウドコストを管理することで減額の効果は出ていますが、管理を始めてから時間が経過し、クラウドの新規利用や各クラウドの割引施策などにより、アカウントごとの正確な金額の算出や予測は難しくなってきています。

また、クラウドベンダー側の仕様変更で現状の運用には即していない部分も出てきており、様々な課題が浮かび上がってきているため、システムやフローを全体的に見直すタイミングに差し掛かっていると感じています。

こういったエンハンスの取り組みに興味のある方、ぜひニフティで一緒に働いてみませんか?以下のリンクよりご応募お待ちしています!

ニフティでは、
さまざまなプロダクトへ挑戦する
エンジニアを絶賛募集中です!
ご興味のある方は以下の採用サイトより
お気軽にご連絡ください!

ニフティに興味をお持ちの方は
キャリア登録をぜひお願いいたします!

connpassでニフティグループに
参加いただくと
イベントの
お知らせが届きます!